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第5回: 深刻化するアライグマ被害の実態と効果的な対策について

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年1月10日更新

深刻化する被害の実態

 アライグマは、北米原産の外来生物です。日本にはペットとして持ち込まれたものが野生化して定着しました。那珂川町でも2013年から捕獲されるようになり、今年は既に100頭以上が捕獲されるなど、急激にその分布を拡大しています。
 見知らぬ土地に定着し分布を拡大する生き物に共通する特徴は、タフであることです。日本にはアライグマの天敵となる生き物も、住めない環境もありません。雑食性のアライグマにとっては、農作物も山の実りもすべてがご馳走です。冬でも暖かい人間の住居は、寒さをしのいで安全に子育てできる快適なシェルターになります。
 アライグマがタフな分、被害も深刻になります。一晩に10アールのトウモロコシ畑が壊滅したこともありますし、食害で希少なサンショウウオやカエルが絶滅の危機に瀕している地域もあります。人を恐れないアライグマは、積極的に人間の生活空間に姿を現します。ペットのエサや観賞魚を食べたり、台所に侵入して冷蔵庫や食料庫を荒らすこともあります。
アライグマ(1)
接触機会が増えれば、病気の感染リスクも跳ね上がりますし、直接危害を加えられる危険性も高まります。

効果的な被害対策とは

 木登りが得意なアライグマの侵入を防ぐには、電気柵が不可欠です。防風ネットや金網柵では侵入を防げません。
アライグマ(2)
 家庭菜園用の電気柵セットなら、3万円程度で購入できます。柵線の間隔は10~15cm、段数は3段以上が目安ですが、アライグマの目線に立って、潜り込めそうな隙間をなくし、柵のそばから足場になるような木や構造物を除去することが重要です。また、一度作物の味を覚えると執着するので、農地では被害が発生する前に柵を整備することも大切です。傾斜地などで電線の間隔を保つことが難しい場合は、金属製の柵の上に電線を配置する複合柵の導入を検討することになります。ただし、複合柵は費用も高く、設置の手間もかかるため、守るべき作物の価値と比べながら要否を判断しましょう。

捕獲の有効性

 アライグマは、比較的捕獲しやすい動物です。食べ物への執着が強い分、新鮮で香りの強いエサがあれば、迷わずわなへと入ります。捕獲を成功させる秘訣は、アライグマがよく利用するルートを見つけることと、エサの鮮度を保つこと、そして農作物をしっかりと守ることです。農地で新鮮なエサを食べられる状況では、狭いわなには入りません。農地の防衛は、捕獲の効率化にも有効なのです。

                                              株式会社野生鳥獣対策連携センター
                                              専務取締役 阿部 豪
アライグマ