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第7回:わなの設置場所選びの基本について

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年3月6日更新

捕獲の基本は、場所選びから

 動物を捕獲する上で、最も重要なのは捕獲場所の選定です。獲物の居ない場所にわなを仕掛けても捕獲はできませんし、獲物がその場所をどれだけ訪れるか、そこに何をしに訪れるかによっても効率は変わってきます。つまり、捕獲を有利に進めるためには、獲物が毎日のように移動するルートを見つけること、とくにエサを使った捕獲方法では、周囲にいくらでも利用できる食べ物がある被害地ではなく、そこへ向かうルート上に捕獲地点を設定することが重要なのです。

移動ルートは、季節や環境によって変化する

 捕獲の技術指導に行くと、イノシシの食害を受けた後の水田に箱わなが設置された光景を目にすることがあります。
わな
 捕獲が進まないことに悩んで相談いただくのですが、多くの場合、わなの周囲に新鮮な痕跡はなく、エサも手つかずのまま腐敗しています。こうした行き違いが起こる原因は、イノシシの行動パターンと関係があります。イノシシは、乳熟期を迎えた水稲を好んで食べに来ますが、時期が過ぎると主食を栗や柿にシフトさせていきます。このため、いくら収穫後の水田にエサを撒いてみても、その場に居ないイノシシを捕獲することはできないのです。
 同じことは、すべての動物に当てはまりますし、工事や森林伐採、防護柵の設置など環境の変化によっても獲物の行動は変わります。つまり、ここで重要な発見は、捕獲を効率的に進めるためには、常に最新の出没状況を把握しておく必要があるということです。目撃や被害情報、種ごとに特徴的な痕跡の情報を集めることで、その時期、最も効果的に捕獲できる場所を探すことが重要なのです。

地形や地理的条件で、捕獲適地を絞り込む

 動物が頻繁に利用するルートを検証してみると、多くの場合、地形や地理的条件による制約が見えてきます。これらのルートは、急な勾配や池、深い谷や歩きにくいヤブを避けていたり、防護柵の開口部(破損箇所や河川、道路など)につながる最短ルートであったりします。
ルート図
 水資源に依存するような動物は、水辺などから離れないように行動していますし、身を隠して行動することを好む動物では、人目に晒される時間が最短になるようにルート取りしています。このように、動物の行動特性を知ることで、逆に地形や地理的条件から移動ルートとなりやすい環境を抽出できるようになりますし、その分、捕獲地点の選択も効率的に進めることができるのです。
株式会社野生鳥獣対策連携センター
専務取締役 阿部 豪